【お隣オフィス導入事例】電話だけの時代に終止符を——サンプラテックが常時接続で手に入れた”距離ゼロ”の組織力

サンプラテックお隣オフィス導入事例

大阪・名古屋・東京の3拠点を「電話だけ」で繋いでいた理化学機器メーカーが、リモートコミュニケーションシステム「LoopGate」のパッケージソリューション「拠点間常時接続システム お隣オフィス」で手に入れたものとは——。プラスチック製理化学機器のパイオニア、株式会社サンプラテックの導入事例をご紹介します。

導入企業: 株式会社サンプラテック
業種: プラスチック製理化学機器の製造販売
従業員数: 40名
主な用途: 拠点間常時接続(お隣オフィス)
導入拠点: 大阪本社・名古屋支店・東京支店
Webサイト: https://corp.sanplatec.co.jp/

サンプラテックが抱えていた課題

約7,000アイテムを展開するファブレスメーカー

株式会社サンプラテックは、1960年の創業以来、プラスチック製理化学機器の開発・製造・販売におけるパイオニアとして、日本の科学研究と産業を支え続けてきた企業です。大阪市北区に本社を構え、東京支店、名古屋支店の国内3拠点に加え、2017年には米国シリコンバレーにも代行オフィスを設置。従業員40名という少数精鋭の体制で、約7,000アイテムにも及ぶ製品群を展開しています。

同社の最大の特徴は、ファブレスメーカーとしてのビジネスモデルです。自社工場を持たず、製品の設計・開発に経営資源を集中させ、製造は外部の加工委託先や倉庫と連携して行います。ビーカーやフラスコといった基本的な樹脂製実験器具から、グローブボックス、デシケーター、ドラフト・フードなどの大型実験機器、さらにはフッ素樹脂製の高機能容器まで、その製品ラインナップは多岐にわたります。「お客様目線のモノづくり」を企業理念に掲げ、特注品を1点から受注する「特注工房」サービスや、オリジナルブランド「Platine」「IREMONO」「iP-TEC」「LC4P」の開発など、顧客ニーズに寄り添うものづくりを一貫して実践。ISO9001認証を取得し、医療機関、官公庁、大学、民間企業と幅広い顧客基盤を持つ同社は、日本のものづくりを陰から支える存在です。

「電話だけ」が生んだ見えないコミュニケーションの壁

サンプラテックが抱えていた課題は、多くの中小企業に共通するものでした。大阪本社と東京支店、名古屋支店の3拠点を結ぶコミュニケーション手段が、事実上「電話だけ」だったのです。

40名という組織規模は、全員が同じフロアにいれば大きな強みになります。しかし、拠点が分散した途端、その少人数体制がコミュニケーションの脆弱さとして表面化します。日常のちょっとした相談、判断を仰ぎたい瞬間、あるいは雑談の中から生まれるアイデア——電話というツールでは、こうした「気軽なコミュニケーション」が圧倒的に不足していました。

電話は用件がなければかけられません。わざわざ電話するほどでもない些細な確認事項が積み重なり、情報の断絶が少しずつ組織に影を落とします。加えて、ファブレスメーカーとして倉庫や加工委託先と密に連携する同社にとって、映像を伴わないコミュニケーションは製品確認の精度という実務面でも限界がありました。

こうした課題を解決すべく動いたのが、社長室付管理部の中尾氏です。

なぜWeb会議ではなかったのか —— 常時接続は第4のコミュニケーション

常時接続は第四のコミュニケーション

ここで一つの疑問が浮かびます。拠点間のコミュニケーションを補うのであれば、ZoomやTeamsといった一般的なWeb会議ツールでも良かったのではないか——と。しかし、サンプラテックが選んだのはWeb会議ではなく、「お隣オフィス」による常時接続でした。その理由は、両者がまったく別カテゴリのツールだからです。

コラム:第4のコミュニケーションツールとしての「常時接続」

一般的なWeb会議ツールには、「会議のたびに招待・接続・退出が必要」「会議時間以外はコミュニケーションが途切れる」といった特性があります。用件があるときに、スケジュールを合わせ、URLを発行し、参加者を招待して初めて繋がる——この一連のプロセスは、どうしても”構えた”コミュニケーションにならざるを得ません。

一方、お隣オフィスは「声掛けしてよいタイミングか画面越しに相手の様子が分かる」「雑談や軽い確認が自然に発生する」など、対面に近いコミュニケーションを実現します。相手がデスクにいるのか、電話中なのか、集中して作業中なのか——そうした空気感までが常時共有される。そこには「会議を始める」という意思決定が介在しません。

そのためお隣オフィスは、Web会議ツールとは用途が根本的に異なり、「会議」ではなく「電話・メール・チャットに続く、第4のコミュニケーションツール」として活用されています。

サンプラテックが解決したかったのは、まさにこの「日常のちょっとした会話が失われた」という課題でした。電話では用件が必要、メールは形式的、チャットは文字だけ——既存の3つのツールでは埋められない”隙間”を、常時接続という第4のツールが埋めたのです。中尾氏が「常時接続でうまく活用できています」と語った背景には、この第4のコミュニケーションツールとしての機能が、同社のコミュニケーション課題と完全に合致した事実があります。

お隣オフィスはサンプラテックの課題をどのように解決したか

選定の決め手は、安定性と専用機ならではの信頼感

中尾氏がお隣オフィスの導入を決断した背景には、いくつかの要因があります。

まず、安定性への信頼です。一般的なWeb会議ツールは、会議のたびに接続し、終われば切断します。対して常時接続システムは、朝から晩まで途切れることなく映像と音声を繋ぎ続ける必要があります。お隣オフィスの専用端末は、その安定稼働のために設計されたハードウェアであり、PCベースのWeb会議ツールとは設計思想が根本的に異なります。

次に、操作の簡便さ。お隣オフィスの専用端末はリモコン一つで操作でき、ITリテラシーに依存しません。少人数の組織では「誰でも使える」ことが導入の成否を分けます。専任のIT担当者がいない環境でも、電源を入れれば自動的に接続が始まるシンプルさは大きな魅力でした。

そして価格面での納得感。3拠点分のレギュラープランを導入し、大阪本社には大型モニター用のディスプレイラックと一体型カメラスピーカーマイクをセット、東京・名古屋の各支店には小会議セットを配置する構成で、初期投資と月額コストのバランスが取れた提案がなされました。リース契約の活用により、初期費用の負担も平準化されています。

“つながっている安心感”が組織を変えた

導入後、サンプラテックの3拠点は毎日お隣オフィスで常時接続されています。中尾氏は「当初のコミュニケーション課題は解決され、常時接続でうまく活用できています」と語ります。

常時接続がもたらした最大の価値は、「つながっている安心感」です。モニター越しに相手の姿が見えることで、電話をかけるべきかどうかを迷う必要がなくなりました。相手の表情や様子が見えるから、声をかけるタイミングが自然にわかる。これは、電話やチャットでは決して得られない体験です。

40名という組織だからこそ、一人ひとりの「存在感」が業務に直結します。各支店に配置された少数の社員にとって、大阪本社の雰囲気がリアルタイムで伝わることの心理的効果は計り知れません。孤立感の解消、帰属意識の維持、そして「気軽に相談できる」環境の構築——これらは定量化しにくいものの、組織の結束力に直結する要素です。

ファブレスメーカーならではの業務シーンでも効果は表れています。従来、倉庫や加工委託先との製品確認はiPad越しの映像通話に頼っていましたが、お隣オフィスの安定した映像品質により、より確実なビジュアルコミュニケーションの基盤が整いました。

今後の展望 —— コミュニケーションDXの深化

サンプラテックにおけるお隣オフィスの活用は、3拠点の常時接続にとどまりません。導入後の商談では、同社のビジネスをさらに進化させるいくつもの可能性が浮かび上がっています。

オブジェクトカメラ | ファブレスメーカーの品質管理を変える高精細映像

最も具体的な関心を集めたのが、オブジェクトカメラの活用です。1cmまで被写体に寄ってもピントが合う高精細カメラは、プラスチック製理化学機器という精密な製品を扱う同社にとって理想的なツールです。倉庫に保管された製品の微細な状態確認や、加工委託先との品質チェックなど、ファブレスメーカーならではの業務課題を映像の力で解決する可能性を秘めています。中尾氏自身が「現場担当者にも確認してみたい。ぜひデモ機をお借りしたい」と語ったことからも、その期待の大きさがうかがえます。

ブラウザリンク | URLひとつで、どこからでも即参加

LoopGateブラウザリンク

ブラウザリンク機能への期待も大きいものがあります。お隣オフィスの新機能「ブラウザリンク」は、専用端末がなくてもURLひとつでスマホ・タブレット・MACからでも即参加可能な仕組みです。常設は専用機で安定運用しつつ、臨時はブラウザで柔軟に対応できるため、全拠点に端末を配備せずとも導入ハードルを大幅に低減できます。

災害や出張・在宅で業務が止まるといった事態にも、現場・支社と利用シーンが広がり、手軽にお隣オフィスを利用可能に。URLクリックだけで誰でも簡単に使えるため、インストール不要、臨時利用にも最適で、QRコードからのアクセスにも対応しています。

中尾氏は「外出している社員がタブレットやスマートフォンから手軽に接続できるのは大きなメリットです。PCを立ち上げる手間もなくなりますし、コミュニケーションがさらに取りやすくなりますね」と、その利便性に高い期待を寄せています。営業担当者や経営層が外出中でも、タブレットやスマートフォンから即座にオフィスとつながれる環境は、機動力の高い少数精鋭チームにとって大きな武器となるでしょう。

AI搭載カメラ | 会議室の映像・音響体験を劇的に向上

会議室の音響環境の改善も視野に入っています。現在使用しているカメラは安価なもので画質に課題があることを中尾氏は認識しており、AI搭載カメラのノイズリダクション機能やオートフレーミング機能にも強い関心を示しました。デモンストレーションでは、周囲の雑音がAIノイズリダクションで瞬時に消える様子に「マジックのようだ」と驚きの声を上げました。話者を自動追尾するオートフレーミング機能は、役員会議で奥の席に座る社長の表情もしっかり捉えます。社内ラジオを実施している広報部門との連携も含め、オフィスの音響・映像環境全体を底上げする構想が広がっています。

PC版LoopGateとAI活用 | 場所を選ばない働き方の実現へ

PC版LoopGateの導入も出張中の社員やテレワーク環境からの接続手段として魅力的です。専用端末による常時接続とPC版による柔軟な接続を組み合わせることで、場所を選ばないコミュニケーション基盤が完成します。2017年に設置した米国シリコンバレーの代行オフィスとの連携まで視野に入れれば、グローバルなコミュニケーション体制の構築も夢ではありません。

まとめ —— 少数精鋭だからこそ、つながりに投資する価値がある

従業員40名、国内3拠点。株式会社サンプラテックの規模は、大企業から見れば小さいかもしれません。しかし、だからこそ一人ひとりのコミュニケーションが組織の成果に直結します。電話だけに頼っていた時代、その「つながりの細さ」は確実に組織力を削いでいました。

お隣オフィスによる常時接続の導入は、その課題に対するシンプルかつ本質的な解決策でした。高価で複雑なシステムを導入したわけではありません。「毎日、自然に、顔が見える」——ただそれだけのことが、組織に安心感と一体感をもたらし、業務効率とエンゲージメントの両方を押し上げました。

そして今、サンプラテックは常時接続を単なるコミュニケーション手段としてではなく、オブジェクトカメラによる品質管理の高度化、ブラウザリンクによるモバイルワークの拡張、AI活用による業務効率化など、組織のDXを推進するプラットフォームとして捉え始めています。1960年の創業から65年以上にわたり「お客様目線のモノづくり」を貫いてきた老舗企業が、テクノロジーの力でさらなる進化を遂げようとしています。

プラスチック製理化学機器のパイオニアが選んだ”距離ゼロ”のコミュニケーション。その先に広がるのは、少数精鋭チームだからこそ実現できる、俊敏で密度の高い組織づくりの未来です。